「まなびのわ」がめざすこと

不登校の子どもに学ぶ機会を

 不登校の子どもたちが増えつづけています。不登校の子どもを減らすこととあわせて重要なことは、不登校の子どもが放置されることなく、学ぶ機会を保障され、自立した社会人として成長できることだと考えています。 いわゆる「教育機会確保法」はそのような趣旨で定められました。しかし、実態はそれほど大きく改善していないように思われます。フリースクールの多くは経済的負担が大きく、「適応指導教室」は不登校を減らすことを主な目的にしています。不登校の子どもは「学校に行かないこと」をさまざまな理由で選択しているのであって、けっして悪いことをしているわけでも、非難されるべきことをしているわけでもありません。不登校の子どもも心から学びたいと思っており、りっぱな社会人になりたいと思っています。このことは不登校の2児の親だった私たちが強く感じていることです。そこに差があるとしたら、それは「学ぶ機会」の差によって生じていると考えています。その差を小さくしたいというのが「まなびのわ」の願いです。

     

楽しく基礎力を身につける

 義務教育は社会人としての基礎的な力を培うことを目的としています。しかし、基礎的な力を学ぶ場や学ぶ方法はいろいろあっていいと考えています。「学ぶ場」として、例えば、フリースクール、オルタナティブ・スクール、ホームスクーリングでも、義務教育の目的をかなり達成できると思います。「学ぶ方法」については、例えば、文章の読解力は、国語の教科書で身につけなくても、大好きな「科学の本」を読むことによっても身につきます。「知りたいことを知る」ことで、読書の楽しさがわかり読解力もつくのです。「学びたいことを学ぶ」ことを通じて、個性が育つと同時に、基礎的な力も身につくと考えています。「好きなことばかりでは知識が偏ってしまう」という心配はいりません。まずは、「楽しく学ぶこと」が重要だと思います。「まなびのわ」はそういう学び方を支援します。

主体的な学びを支援する

 「まなびのわ」では、子ども本人が、学びたいことを中心に、保護者、アドバイザーと相談しながら学習計画(学習内容・学習方法)を立てます。その際には、学校の学習内容も考慮します。その学習計画にそって、子どもが自発的に学習を進めることが基本となります。学習する場所は、自宅でも「まなびのわ」でもかまいません。本人、保護者、アドバイザーで振り返りながら、さらに、次の学習計画を相談するという方式です。子どもの自主性を尊重しつつ、主体的に学習を進めることができるように支援することがアドバイザーの役割です。

「まなびのわ」の目的

「まなびのわ」は次の3つの目的をもって活動します。

1.不登校の子どもが自由でリラックスできる環境の下で学ぶこと
2.子ども自身の自発的な意思にもとづいて主体的に学ぶ力を身につけること
3.子どもの興味にもとづいて学ぶ機会を提供し、個性を育てること

「まなびのわ」がめざす子どもの力

1.自ら計画を立て、実行し、振り返る力
学ぶ方法には様々あります。大切なことは、主体的に学ぶ力を身につけることです。将来、社会に出てからも大きな力になります。

2.自分の興味や意欲にもとづいて学習を進め、個性を伸ばす力
好きな分野、希望する分野の学びを大いに進めることによって、個性を伸ばし、個人としての自分に自信をもって生きる力を育てます。

3.義務教育レベルの基礎学力
基礎的な学力を身につけ、本人が登校を希望すれば、学校での勉学を進めることができる学力をめざします。ただし、学校への登校を勧めたり、それを目標にするものではありません。